2020年、6冊目の読書感想です。
内容紹介
「知の巨匠」と言われている(らしい)文学博士、外山滋比古さんによる読書術です。
外山滋比古さんと言えば「思考の整理学」が有名ですよね(読んだことないんだけどな!)。
1986年出版ともはや古典的名著の域に達している「思考の整理学」とは異なり、こちらは2016年出版という比較的新しめの著作です。
サブタイトルは「思いがけないことを発見するための読書術」となってはいるのですが、昨今流行りの「インプット術」「アウトプット術」的なノウハウ集と思って読むと大間違いなのでご注意を(それ、私のことな)。
こちらは体系的・網羅的に「読書術」について書かれているわけではなく、著者が「本」「言葉」「文章」「知的活動」などについて考えていることを、筆のおもむくままに書き連ねたような感じで、エッセイとか散文に近い感じですかね。
知性のエッセンスに触れる
そうは言っても、頭が良い方はこんなことを考えているのね~と、知性のエッセンスに触れられるという意味では、なかなか面白い1冊ではありました(*´▽`*)
そしてやっぱり要となるのは、本のタイトルにもなっている「乱読」に関して書かれた箇所だと思います。
タイトルにある「セレンディピティ」とは、
素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。
Wikipediaより
という意味で(「セレンディップの3人の王子」というおとぎ話から来てるんだって~!!豆知識( ..)φメモメモ)、乱読による化学反応でセレンディピティが可能になると主張しているのです。
そのための心得となるポイントを抜粋すると、
- とにかくジャンルにとらわれずおもしろそうなものをどんどん読む(入門テキストとしては新聞や総合雑誌を推奨)
- 何の本を読むか決めること自体が知的活動
- 読めなくて途中で投げ出す本があってもいい
- ただし本は身銭を切って買うべし(それでこそ失敗も意味を持つ)
という感じですかね。
何気に庶民にはこの4つ目が難しいよね。身銭を切って本を買って乱読していたら破産してしまう・・・。図書館やKindleUnlimitedサマサマですよ。
最近は猫も杓子も(そして私も)「アウトプット重視」な傾向で、「本をやみくもにたくさん読むより、冊数は少なくても各々の本の内容をきちんと吸収する。そのためにはアウトプットが大切!」という考えが主流な気がしますが ・・・(私が感じてるだけ?) 。
そんな風潮とは真逆のスタンスで、こういう考え方もあるのか〜と新鮮には思いました。
とは言え、「セレンディピティ」につながるには、中途半端な多読ではなく本当に「乱読」と言えるレベルで(月に数十冊とかの超大量の本を)読んでこそなんだろうなぁとも思えて、私程度のそこそこ本好きというレベルの凡人は「ほどほどに多読、1冊1冊精読」が身の丈なんだろうな~とは思いました。
(凡人の私には)直接的に「役に立つ!」とか「超参考になった!」という感じではありませんでしたが、でも 「自分のものにするぞ!」といちいち意気込んで本を読まなくてもいいと許されたようで、「アウトプットという強迫観念」から解放してくれる有益な1冊ではありました!
ノウハウが知りたい場合はやっぱりコレ?
もう今さら私が紹介するほどでもない1冊ですが、もっと直接的なインプットのノウハウが知りたい場合は、ぜひこちらを~♪
ベタですけど、やっぱり分かりやすくて取っつきやすい。
こういうインプット、アウトプット系の指南本は何冊も読むよりも、1冊を何度も読んで忠実に実行していく方が実りは大きい気がしますね。
以上、「乱読のセレンディピティ」読書感想でした!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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