キラキラ系キャリアストーリー。【好きなことしか本気になれない。】南章行

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2020年、15冊目の読書感想です。


好きなことしか本気になれない。 [ 南 章行 ]

スキル売買マーケット「ココナラ」創業者の南章行さんによる「キャリアの教科書」だそうです。
副題は「人生100年時代のサバイバル仕事術」。

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まぶしすぎるキャリア

ココナラってご存知ですか?

「スキルのフリマ」というキャッチフレーズで、イラストやホームページ作成などの得意なスキルを個人間で売り買いできるプラットフォームです。

占いや恋愛相談なんかまで売買されているそうですよ。

めちゃくちゃ画期的ですよね!

昔だったら「ただの趣味」で終わっていたことが「売れるスキル」になるかもしれないわけですし、依頼する側もプロに頼むより意識や金額のハードルがグッと下がるわけで。

残念ながら私には売れるようなスキルはありませんが、複業やパラレルキャリアなんていう言葉が声高に叫ばれる昨今、全ての人にその門戸を開く画期的なサービスだと思います。

本書の著者はそのココナラの創業者であり、タイトルには「好きなこと」という言葉が盛り込まれており、そして「キャリアの教科書」と銘打たれていることから、

  • 好きで得意なことを武器にしてパラレルキャリアを築いていくためのアドバイス
  • それを実現するために、ココナラのようなプラットフォームが果たす役割

みたいな内容を期待して手に取りました。

んが。

全然違ったよね(;’∀’)

本書は、ココナラ創業に至るまでの南さん自身の自叙伝であります。それも、とびっきりキラキラ系のキャリアストーリー。
慶應大から銀行を経て企業買収ファンド、そしてオックスフォードでMBAを取得した後に独立に至るという、もう眩しくて目を開けていられないようなキラキラっぷりです。

その節目節目で南さん自身が気付いたことや確立した信念のようなものが本書の本質部分であり、南さんのキャリア伝自体は枝葉末節に過ぎないことは分かりつつも・・・。

私的にはもうアレルギー反応起こしちゃってダメでした。

ちょっと文言抜粋していいですか?

僕に限らず30代半ばというのは、仕事も覚えて経験もして、野心が毛穴から吹き出しているような年頃だ。

全く吹き出してねーし!!
むしろ外から補充して欲しいわ!

ファイナンス業界のアドレナリンでびしょびしょ状態の中、NPOをやるなんてありえなかったし、起業するというイメージもなかった。

いや、アドレナリン出るのは金曜の仕事終わった瞬間だよね・・・。

仕事においての理想のDoingとは、僕流のカジュアルな表現でいえば「いかにうまく成果を出すか」だ。

ぼくりゅうのかじゅある。
ぼくのかんがえたさいきょうのかじゅある・・・?(違います)
なんかスミマセン。

「よし、今日は飲みに行こう!」というときは、夜中の12時がスタートだった。 夢中で仕事をしていてテンションが上がりっぱなしだから、疲れも感じない。金曜の深夜、いったん帰宅して着替えてから湾岸エリアに集合して、埠頭でレーザー光線のサバイバルゲームをやるなんてバカで楽しいこともした。

えーと、ご家族は・・・?
(私が妻ならブチ切れ案件じゃ)
よそのご家庭なので外野がどうこう言うことじゃないですが、これを武勇伝のように語るところがちょっと・・・。

という感じでですね、いや、そこ本質じゃないって分かってるんですけど、そういういかにもバリキャリな表現の一つ一つにばっかり目が行ってしまって、ザ・組織の歯車であるヘタレサラリーマンの私は読んでいてツラかった・・・。

この本を手に取る前の私に言ってあげたい。

どうして読んで後悔するって分かってるのに、そういう本選んじゃうの?

と。

そうなんです。こういう「好きなことを仕事にしよう!!」系タイトルの本の著者は、大抵ビジネスマンとしてかなりハイスペックなキャリアを有しており、それを経た上での「好きなことで生きる」という結論なので、

仕事つまんないし、好きなことだけして暮らせないかな〜(ハナホジ)。

という私のような人間が思い描く「好きなことを仕事に」とはあまりに次元が違うんですよね。

もちろんそういった方たちの思考プロセスを、1冊の本で垣間見られるというのはめちゃくちゃ貴重だと思うのですが・・・。

次元が違いすぎて、一歩を踏み出すきっかけというよりは劣等感を募らせてしまった読了後の私でありました。

能力・努力・人柄

と、いささかネガティブなことを書き連ねましたが、これは本の内容の問題というより、どちらかと言うと私自身がこの本を読むようなステージにいないからという点が大きいのでしょうね。

アマゾンではめちゃレビューが高いので、おそらく大多数の方はきちんと本質を捉えて読んでおられると思われます。

私自身も、著者の南さんについては、

この人、マジスゲェ。 ←語彙力

と素直に感嘆しますし、天性の能力だけでなく、挫折も迷いも経験しながら努力でキャリアを築いてきていることも良く分かる内容でした。

そして、おそらく人柄も良いのだろうなということが、語られるエピソードからは伝わってきます。

おっしゃっていることは堀江貴文さん辺りと似ていると思いましたが、表現型はだいぶ違いますね・・・。
堀江さんのように最低限の言葉で結論だけをズバリと言って「理解できないやつはバカだから」と切り捨てる、いささかサディスティックなスタイルを受け入れられない方は、南さんの言葉の方がスッと素直に入ってくるのかもしれません。

逆に言うと、既に堀江さんの著作をかなり読み込んでいる方は、本書でそんなに目新しい考え方には出会えないのでは?とも言えますかね(;’∀’)
私は数冊しか読んでいませんが。

覚えておきたいこと

眩しすぎて目を見開いては読めなかった1冊ですが、それでも「あ、これは心に留めておこう」と思った箇所もありました。

その一つが、

人生に「段取り」はいらない

というもの。

「この仕事が落ち着いたら・・・」とか「子供の○○が終わったら・・・」とか、とりあえず目の前のことが終わるまで新しいことを保留しておく「段取り」はいらないということです。

なぜなら「この件が落ち着いてから」と思っていたら、また「次の件」がやってくる。そうやってやりたいことを先延ばしにしているうちに、時間はあっという間に過ぎる。

キャー!!耳が痛い( ;∀;)

そう、計画を立てても思い通りにはいかないことの方が多いわけで、だったら「今やりたいこと」をどんどんやった方がいいやりたいことは全部同時進行でやった方がいい、ということですよね。

何かを始めるのに腰が重い私としては、この言葉を心に留めておくだけでなく、何となく「やろうやろう」と思っていたことを「今すぐに」始めた方がいいなと強く思いました。

この「やりたいことは今すぐに」という考え方自体はこれまでもいろんな書籍などで目にしていると思うのですが、この部分が私のフックに引っかかったということは、「今の私」にとってそれが必要だからなのでしょうね。
また違うタイミングで読んだら、違う箇所が心に留まるかもしれません。タイミングって大事ですよね。

おわりに

ちょっとネガティブめな読書感想になってしまいましたが、最初から「南章行さんの自叙伝」と思って読んでいたらもっと素直に読めたような気もしていて。
タイトルと内容紹介が、実際の内容とあまり合っていないのがやっぱり一番の残念ポイントだと思いました。

南さんについては「スゲェ人」としてインプットされましたので、次はぜひ「ココナラ」の可能性を語るような書籍を出していただきたい~!!
期待しています♪

以上、【好きなことしか本気になれない。】読書感想でした。

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