2020年、9冊目の読書感想です。
僕らの仕事は応援団。 心をゆさぶられた8つの物語 [ 我武者羅應援團 ]
オススメ度★★★★★
今、この本のタイトル(というか著者)を見て、
ちょ、我武者羅って何www
って思ったでしょ?思ってない?
私は最初見たとき思ったよね(お前が思ったんかい)。
80年代ヤンキーの世界観かと。
押忍!夜露死苦!!
的な?
でも、そんな風に思ったあなた(え?私?)にこそオススメしたい。
本気(←”マジ”って読んでね!)で涙なしでは読めない1冊です。
最初に書いちゃいますけど、2020年に読んだ本の中では、今のところこれがNo.1と言っていいくらい良かった。
ま、まだ2月ですけどねw
ということで、2020年、9冊目で初の★5つ、最高評価です。
日本で唯一のプロ応援団
そもそも我武者羅應援團とは何ぞや?と言いますと、日本で唯一のプロ応援団なんだそうです。
2007年結成。
我武者羅應援團HPより
「気合と本気の応援であなたを熱くする」という志のもと、人々の勇気を後押しする応援団。
ということで、これだけ読んでもまだ「ハテナ?」なんですが、要するにプロ応援団として企業や学校、イベントなどに招かれてエールを送るということを生業としているそうです。
学ラン(というか長ラン?)を着た、まさに昔ながらの「応援団」。HPもめちゃ気合入ってます。
世界観が80年代というのはあながち間違ってない?
とは言え、実際自分が所属するコミュニティや参加したイベントなんかで応援団が出てきてエールを送り始めたら、やっぱり「え、ちょ、何か応援してるけどwww」って思いそうでしょ。
私は思いそう(思うんかい)。
でも、この本を読むと、そんな斜に構えた見方も吹き飛びます。
応援団としてエールを送ると言っても、単に定型の演舞(って言うのかな?)を見せるだけではなくて、応援を送る相手にヒアリングを重ねて、その一人一人の人生に寄り添うような「たった一つのエール」を作って送るんだそうです。そしてその言葉や応援がどうやったら相手の心に響くのか徹底的に考える。
いや、これは本気(←”マジ”って読んでね!)のやつやわ・・・。
と本の冒頭からビビります。
珠玉の応援エピソード8編
そんな我武者羅應援團がこれまでに行ってきた応援の中から、「家族」や「働くこと」「本気で生きること」について考えさせられたという8つの物語が、この本では紹介されています。
一部抜粋すると、
- 仕事上の諍いで息子と決別してしまった父親から依頼され、その息子の結婚式で息子に送るエール
- 24時間マラソンで過酷なレースに挑むランナーたちに送るエール
- 母子家庭で育つ小さな姉妹に依頼され、母の日のプレゼントとして母親に送るエール
- 将来への不安を抱える看護学生に送るエール
などなど。
こうやって書くとなんかベタベタなシチュエーションに見えますけど(まぁ実際そうなんすけど)、ほんっとーにどの応援も泣ける。
私は最初っから最後までずっと泣きながら読みました。電車の中では読まない方がいいよ!
特に涙が大放出だったのが、上の4つ目に書いた看護学生へのエール。
自分自身が繰り返す脱臼に苦しんでいる団員が、その経験も踏まえて看護師の卵である生徒たちに送った言葉に、涙が止まりませんでした。
ほんとはここに書き残したいくらいの名言なんだけど、それじゃ興醒めなのでグッと我慢するから、みんなぜひ読んでー!!
とついつい力説してしまう、そのくらいオススメの1冊でした。
読んだきっかけは書評
ちなみに私は「ちょ、応援団www」とかってひねくれた見方をしてしまう性格なので、この本をリアル書店やネット書店で目にしても、自分じゃ絶対手に取らなかったと思います。
そんな私がなぜこの本を読んだかというと、こちらで紹介されていたのがきっかけでした。
「考える人」という雑誌(現在は休刊)の編集長であった河野通和さんが、メールマガジンで連載していた書評を1冊にまとめたものです。
以前こちらの記事でも書いたのですが。
本当に紹介している本への愛情をひしひしと感じる書評ばかりで、紹介されている本を全て読みたくなっちゃうんですよね。
今回の我武者羅應援團も、そんな「これ読みたい!」欲をかき立てられた1冊で、そして期待以上の読み応えでしたので♪
紹介されている本を、これから片っぱしから読んでいきたいと思っている私であります(*´▽`*)
いやー、「読みたい!」と思わせる書評の力ってすごいですよね。
見習いたい!!
以上、【僕らの仕事は応援団。心をゆさぶられた8つの物語】読書感想でした!
コメント