2020年、3冊目の読書感想です。
内容紹介
かの名著「負け犬の遠吠え」の著者、酒井順子さんによるエッセイです。
この本の単行本版が出版されたのが2008年。酒井順子さんは1966年生まれなので、酒井さんが40代序盤の頃に書かれた エッセイですね。
そう、つい先日40代に足を踏み入れた私とちょうど同じ年頃のときに書かれたものです。
20代が終わって30代に突入するとき、「あぁ、とうとう私も30代!!もう若くないわ・・・」みたいなショックがありましたが、今思えば30代中盤くらいまでは20代の延長線上に過ぎず、「老化」というものを実感することはあまりありませんでした。
今30代前半の子とか見ると、「若くてキラキラしてんなぁ」と思うもんね。
このまだまだ若々しかった30代前半を終え、「老化」という右肩下がりの曲線を下り始めていることにハタと気付いたのが30代半ばだったでしょうか。そして、この「老化」の曲線を下るスピードがグッと加速するのが40歳前後ではなかろうかと思います。
「年齢」という数字上のことだけでなく、「身体の衰え・劣化」という物理的な事象を身をもって体感して、「あ、(ほんとに)もう若くないんだ」とまざまざと突きつけられる40代。
この年代のビミョーな心の機微を、酒井さんお得意の自虐的な文体でアレコレ綴った1冊です。
でも40歳が「おばさん未満」か?と言われると、いや、もう「れっきとしたおばさん」でしょと思いますけどね・・・。
「何歳になっても若く美しい外見を保つ努力を」という風潮からの引退が許されないことへのうんざり感や、かといって行き過ぎた(もしくは方向を間違えた)努力により他人から「痛い」と見なされてしまわないかの恐怖感など、「あーそうそう、そうなの!」と言いたい箇所がたくさんありました。
アラフォー世代の女性としては、「共感」という意味でも「教訓」という意味でも、必読の1冊と言ってもいいと思います。
40代、気を付けたいこと
本をサクサクっと読み終えてみると、上述のように「そうだよねぇ」と共感できることだけでなく、「あ、これは気を付けないといけないのか」と気付かされたことも結構ありました。
40歳を超えてのロングヘアは結構ツライものがあるとか、声が大きくなってくることに自分でも気付かない(特に女子会に注意!)とか、若くないからこそ口元や歯のケアが大事だとか。
総じて私が感じたことは。
- 40代に突入したら、これまでのように「若く」「美しく」「流行に遅れず」というマインドでいたらイカン。
- 「若く見られること」よりも「年相応に見られること」を大事にすべし。
- 目指すべきは「健康的で清潔感がある佇まい」である。
ということですかね。
(必ずしも著者が述べていることではなく、私が読んで感じたことです)
後ろ向きと思われるかもしれませんが、やっぱり「あの人、いつまでも若いつもりで痛いよね」とも言われたくないし、「あの人、もう女捨てちゃったよね」とも言われたくない。
「若くない」という事実は素直に受け入れ、でも身だしなみはきちんと整えて、健康的でシャンと背筋を伸ばした佇まい。
これが私の思う、40代女性の目指すところと言えましょうか。
こんなことを考えていたら思い出した1冊がありました。
老いと不美人の共通項
すごいタイトルですが・・・。田村麻美さんという「ブス」を自称する税理士の方の生き方戦略本です。
と言いつつ、著者のお写真がたくさん載っているのですが、「美人」ではないですが「ブス!!」というほどでもないと私は思いました。あえて言うなら「不美人」でしょうか。
見た目コンプレックスを抱えながら多感な思春期を過ごした私としては、共感できる箇所がありまくりで、「高校生くらいでこれ読みたかったな~」なんて思ったのですが。
それよりも、「目からウロコ!」と思ったのが。
ブスは「かわいくなるための努力」はするな!目指すべきゴールは「清潔感」だ!
という言葉。
「そうだったのか〜!」と思わず膝を打ちたくなる言葉で、思春期の頃の私に教えてあげたい!と強く思ったのです。
そう、かわいくなるための努力をして痛々しさを醸し出すよりは、美人ではないからこそ、きちんと清潔にして人に不快感を与えないのが大事ということ。
これ、「おばさん未満」を読んで感じたことと似ているんですよね。
老化の域に入った「おばさん」 も生まれながらの「不美人」も、 「美しさ」では勝負できない者の目指すところは「清潔感」というのは、普遍の真理と言ってよいのではないでしょうか。
そんな老いと不美人の共通項を感じて、今後の方向性が見えた気がした(アラフォーかつ不美人な)私でありました。
どちらも妙齢女子(?)におススメの2冊であります♪
以上、「おばさん未満」読書感想でした!最後までお読みいただきありがとうございました♪
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